おとちゃん書評

なぜ書評を始めたか?それは書評を始めるきっかけとなる本に出会えたため。

どんな仕事でも必ず成果が出せる トヨタの自分で考える力 原マサヒコ

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◆生産性を上げるためにはどうするか

そもそも生産性が高いということはどういう状態かを定義する必要がある。本書では、「頑張っていないのに成果物の価値が高い」こととある。これは危険ではなかろうか。

頑張る、頑張らないは主観的表現であり、本人が「頑張っていない」と自覚した状態(例えばフロー状態)であれば、成果物の価値を上げるために何時間でも働いていいことになるというのか。

 

あくまで生産性を客観的に評価するのであれば、はやり時給換算すべきであると考える。つまり、生産物の価値/労働時間で単位時間あたりに生み出せるお金を計算する。

そのうえで、分母(労働時間)を削る。

 

だが、基本的にそれは厳しい、というより不可能に近い。

さあ困った。そこから、悩む、考える。しかし、その考える時間も仕事に含めるのであれば、うだうだ時間をかけて考えてもいられない。

 

そのうえで、現時点での答えは

・9-18時:集中力を高めて一気に仕事をする。分子である生産物の価値を上げる。

・18-9時:・業務時間内に集中力をトップに持ってこられるようメンテナンスをする。

     ・どうすれば分母である労働時間を削れるかを考える。

 

さて、ここに部下のマネジメントも入ってきたらどうしよう。(今は新卒新入社員でーす。)

まあ、その時はその時で考えるか。

 

 

◆「今が何の時間なのか」を意識

上記の仕事の集中力とも関連するのが、「今が何の時間か」を意識することは仕事における基本である。

そのためには、思考の階層をとらえていなければならない。

上:何のために働くか。

中:ゴールはいつ・どこまでか。

下:そのために今何をすべきか。

 

細かく言えば、もっと分けられると思う。そもそも最上位階層に、「どうなりたいか。」というものも位置してくる。

が、とりあえずは、上記を上から逆算して考えられ、それが人に説明できればトレーナーとして認められるとは思う。

なので現時点でトレーナー意識を持つために、どんどん逆算思考を取り入れていこう。

 

 

◆上司と部下の関係性~教えればいいの?

私が教壇に立っていたころ。とにかくわからないことだらけだった。そんなわからないことだらけの中、教え始めて半年たった段階で、もっとわからないことだらけの後輩を持つことになった。

当然後輩は私を頼ってくる。だが私にもわからないことは山ほどある。

 

どうするか。

 

1.突き放す。「私にもわからん」

2.ちょっと待ってね。 → 人に聞いたり調べたりして教える。

3.ちょっと一緒に考えてみようか。→ 一緒に聞きに行ったり、それぞれであたりをつけた文献を探ってみる。

 

どれも使っていたような気もするが、私がとりわけ重用したのは3番である。

相手はこっちがわからないことも承知で、どういう対応を取るか探っているかもしれない。

そんなとき、1,2では次から頼りにされにくくなる。その場で自分の知恵を出すことを否定しているのである。

3は一見頼りないが、部下との共同作業が入ってくる。当然部下の意見も大事にするし、それをそのまま採用することだってある。そこに、上司として自分の色を少しだけつける。経験を少しだけ付け加え、もしこうなったらこうしたらいいよとリスクヘッジを提案する。すると部下は、ああ、この人に頼ってよかったな~となる。次も頼りにされるし、部下の意見も反映させられたことで、自分で考えて編み出した達成感も与えられる。

 

もちろんすべての状況で当てはまるわけではないが、上司としては、無駄に忙しそうにふるまって構ってあげないオーラを出すのではなく、共同での仕事を引き受ける度量の広さを見せたいところである。

 

◆おとちゃん採点:65点

及第点少し上。なぜか。このブログが予想外にはかどったからである。

それだけ、自分の実体験と重ね合わせて、本書の内容を自分なりに昇華できた証であるし

この本が一つの基準となり、今後の読書について、自分にとって難解本/不足本の選別を図っていきたい。